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島崎武重郎さんの写真
INTERVIEW

VOL.04

秩父樹液生産協同組合 / 特定非営利活動法人 秩父百年の森
島崎武重郎さん

森と人をつなぐきっかけをつくる

「本来の森の姿を取り戻していきたい」という思いから、森林所有者が中心となって設立された秩父樹液生産協同組合。人による乱伐や、スギ・ヒノキなどの人工林の増加により失われつつある原生林の再生を目指しています。苗木の植樹、子供たちへの環境教育支援、森と人の交流を深める森のガイド、樹液や木の皮を活用した「ちちぶ森のめぐみ」ブランドの立ち上げなど様々な活動を行っています。

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様々な効能を持つ広葉樹「キハダ」

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鮮やかな内皮が特徴。

森の多様な力を現代にも届けたい

秩父の森は多種多様な植物が自生しています。カエデだけでも21種。一箇所にこれほど多くの種が自生するのは稀で、秩父の山がいかに貴重であるかが伺えます。島崎さんのガイドのもと、森に入りそれぞれの木の特徴について説明いただきました。木の皮を剥くと、現れたのは鮮やかな黄色の内皮。口に含むと、強い苦味とほのかな清涼感を感じます。「これが、「森のサイダー」で使っている広葉樹「キハダ」という木です。強い抗菌・抗生作用があり、消炎や鎮痛など昔から重宝されてきました。染料や虫除けにもなります。この優れた効能を生かしてボディソープも開発・販売しています。キハダの皮もカエデの樹液も、本当に「森の恵み」そのものです。昔の人たちは、この自然の力を上手く生活の中に取り入れてきたのだと思います。でも、今ではあまり知られていないし、山に人間の手が入り森の生態系そのものが変わってしまった。こうした貴重な森の資源を商品化することで、皆さんに森のことを知っていただきたいです。ここにはキハダやカエデ以外にも、豊かな森の恵みがまだまだ眠っています。」

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森のサイダー。ほんのり感じる苦みが清々しい。

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キハダのボディーソープ。さっぱりなのに保湿効果を感じる洗い上がり。

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関わるなら、関わりつづけなければ意味がない

森本来の姿を残しつつ、その資源を有効活用する。なかなか困難なことだと思います。「苗を育て、植樹してから森らしくなるのは約20年。長く、本当に手間がかかります。でも、関わり続けなければ、一度失った森は戻らないし循環しない。そうした手間のかかる活動を継続するために何が必要かと言ったら、まずはみなさんに森を理解してもらうこと。森がもたらす恩恵を、守らなければいけない理由を知ってもらうことです。「ちちぶ森のめぐみ」ブランドはその一つ。商品を使っていただくことで、活動を継続する、森を活性化する。森の恵みをいただくだけではなく、本当の意味で森との共生をめざしています。これからはもっと、たくさんの人を巻き込みながら、活動できたらと考えています。」

体感しなければ、わからないこともある

SDGsをはじめ、昨今環境問題への関心が高まっていることはどう捉えているのでしょうか。「森に興味を持つ人が増えたのは、良い傾向だと思います。でも、やっぱり「情報」だけでは心が動かない。アクションにつながらないというか、自分ごととして捉えられないのではと思います。」確かに、こうして森を歩き木々に触れると、匂い、空気、自然の強い生命力を肌で感じました。理屈ではなく「この森を失いたくない」という強い想いと、自然への敬意が生まれます。「自然の空気を感じたい、そんなことからでもいいんです。まずは、秩父の森を訪れてほしいですね。心地よさの中に、何か感じるものがあるはずです。」(終)

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1本のサイダーに込められた森への想い、是非みなさんに味わっていただきたいです。

森づくりの詳しい活動についてはこちら

秩父樹液生産協同組合 https://acermono.com/
特定非営利活動法人 秩父百年の森  https://www.faguscrenata.com/

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