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本多秀夫さん/山﨑広さんの写真
INTERVIEW

VOL.05

株式会社ちちぶ観光機構
龍勢の町よしだ
本多秀夫さん/山﨑広さん

懐かしいだけじゃない。記憶に残る秩父を。

株式会社ちちぶ観光機構では、秩父の特産物を活かした商品の企画・製造、販売を行っています。また、秩父の奇祭「龍勢祭」を体験できる龍勢会館や道の駅の運営など、幅広く秩父の観光・地域活動に携わっています。

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こだわりの詰まった商品たち。それぞれの素材の味がしっかりと生きている。

素材の良さをきちんと伝えたいから、愚直につくる。

戸田乳業とは地域の農産物を活かしたサイダーやリキュール商品を開発。小鹿野町で収穫された梅を使った「秩父梅サイダー」、秩父の名産のカボスを使った「秩父かぼすサイダー」について紹介していただきました。「黄色くなるまで熟したゴールデンカボスを使っています。熟したカボスは、甘味がまして風味もまろやかになります。ただ酸っぱいだけではなくて、酸味の中にもほんのりと甘味があり、芳醇な感じをソーダでも再現したいと思いました。いくつも試作品をつくりましたね。風味付け程度に果汁を入れるのではなくて、カボスの美味しさをしっかり味わってほしい。そうして最終的に果汁20%のソーダになりました。その分、少々値段は上がってしまいましたが、飲めばご満足いただける商品になったと思います。」

「素材のいいところも、その背景にある生産者さん達の想いも知っているから、やっぱりいい加減なものはつくりたくないですね。」水は、秩父市吉田太田部の湧水を使用。ここにもお二人のこだわりがありました。「太田部はいわゆる限界集落です。小林ムツさん(故人)という方が老齢になり、農業をやめた畑に苗木や花を植え続けてきたところでもあります。(2020年に映画化)名水であることはもちろん、少しでも地域のことを知ってほしい、忘れないでほしいという想いを込めています。」そう語るお二人の眼差しは常に優しく、商品への愛着が感じられました。

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地域の特産品が並ぶ道の駅龍勢会館。一つ一つに愛着がある。

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収穫したばかりのさつまいも。隠れた名産品「干し芋」になる。

古くて、新しい秩父を目指して。

道の駅には、ソーダ以外にもジャムやこんにゃく、干し芋など、どれも余計なものは加えずに素材の味を活かした商品が並びます。「秩父は「地味」って言われたりします。私たち自身も、まあ、そう思うところもありますよ。でも、それも秩父らしさとして発信できればと考えています。龍勢祭りのような歴史や文化、清らかな水、豊かな森林、美味しい農作物・・・決して珍しいものではないし、地方だったらあたりまえと感じるかもしれません。でも、そのあたりまえが日々の暮らしの中に根付き、今も残っているのは秩父の魅力なのではないかと思います。私たちには慣れ親しんだことでも、都心では得られない体験や、新しい発見があるかもしれない。地域の資源を商品化するというのは、そういった「出会い」をつくることだと思うようになりました。」
「商品の魅力化という点についてはまだ課題が多いと感じています。どんな人にどう喜んでいただけるのかという企画の部分であったり、PRだったり。せっかく良いものをつくったとしても、届かないと意味がないですからね。地域全体で頑張っていかなくてはと思います。」

地域の活力は、人とのつながりから

「秩父は小規模な生産者が多く、生産量や販路など個人で出来ることには限りがあります。なので、周囲との連携が必要になる。その地域のつながりを、強みとして活かしていきたいですね。もっとみんなで積極的にアイデアを出したり、お互いの活動を知る機会が増えれば良いなと思います。依然として高齢化の問題はありますが、ここで暮らし、秩父を良く知る私たちだからこそできることが、まだまだあるはずです。まずは、自分たちがもっと地域に関心を持って、好きにならないと。その上で外部の方との交流や意見もうまく取り入れながら、新しい商品づくりにチャレンジしたいですね。」(終)

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現在も、戸田乳業と商品を開発中だという本多さん。どんな秩父らしさが詰まっているのか、楽しみです。発売の際にまたご紹介したいと思います!

ちちぶ観光機構 https://www.michinoeki-network.jp/

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