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吉田恭寛さんの写真
INTERVIEW

VOL.01

ちちぶ路吉田牧場
吉田恭寛さん

牛にやさしく。人にやさしく。

秩父郡小鹿野町、山路にある吉田牧場。山々に囲まれ、心地よい風が吹く牧場です。フリーバーン(放し飼い)の牛舎と緑豊かな放牧場では、牛たちがのびのびと過ごしています。ここで搾乳した生乳は戸田乳業で加工され、近隣の小・中学校の学校給食で提供されます。

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搾乳の様子。みんな静かに搾乳機を装着されるのを待ちます。

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搾乳待ちの牛たち。

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終始、リラックスした表情。

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やさしく、やさしく。

牛は共に働くパートナー

朝6時。搾乳に立ち会うと、搾乳待ちの牛たちがリラックスした様子で並んでいます。「はい、進んで〜」「もうちょっと待ってて。」吉田さんをはじめ、スタッフの方々が牛たちに声をかけています。あれ?言葉がわかるのかな?と思うほどに、牛たちは自分の順番を待ち、スムーズに搾乳機へと向かいます。嫌がったり、荒ぶる牛はいません。「こちらの都合で大きな声を上げたり、無理強いしたら、牛にとって搾乳が苦痛なものになってしまう。お乳もあまり出ません。牛も人も同じです。ストレスフルな職場は嫌でしょう?気持ちよく働きたいよね。私は、牛たちを共に働くパートナーと思っています。頑張ってくれてありがとう、お疲れ様っていう気持ちでいつも接していますから。
健康管理も、大事です。一頭一頭、欠かさず体調をチェックします。耳や目の状態、歩き方、餌の食べ方などちょっとした変化も見逃さないようにしています。万歩計をつけている牛は発情が近い牛。歩数の変化で体の状態がわかります。」牛への愛情、大切に育てているのが伺えます。
「もちろん、牛たちのためであるけれど、飲んでいただく人のためにやっていることです。やっぱりおいしくて安全な牛乳を飲んで欲しいから。ちゃんと、牛乳の本当のおいしさを知ってもらいたいです。」

命の尊さに向きあってわかること

「約80頭の乳牛から毎日1500キロ、生乳を生産しています。給食にすれば7000人分ほどです。牛も子供を産まなければ乳は出ません。妊娠・出産、搾乳を繰り返している訳です。大変なことですよね。牛乳って、本当に命のそばにあるものなのです。だから無駄にしたくないし、もっと皆さんに飲んでいただきたい。新しい命の誕生に立ち会い、牛たちが健やかに育ち反芻をする姿を見るのは私にとって大きな喜びです。酪農に携わってきて良かったと思える瞬間です。
地域の子どもたちは、給食でこの牛乳を飲んで育ってきました。是非、牛たちと触れ合い、その命や食の尊さを感じ取ってくれたらと思います。牛を好きになってほしいな。」

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生まれたばかりの小牛。こうした命の営みが、日々くり返されている。

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課題は多いけれど、新しい可能性を探っていきたい

地域の人口も酪農の仲間も減っていく中で、さらにこの社会情勢によるエサ代の値上げなどがあり、きれいごとでは済まされない状況です。だからこそ、ここ秩父での酪農を守るためにできることを考えたいと思っています。私たちの牛乳を使用するやまなみチーズ工房さんができました。私たちにとっても、地域にとってもすごく意味のあることだと思います。こういった食の環を広げていきたいですね。牛乳を使ったレストランやカフェもできると良いなと思いますし、地域の特色を生かしたヨーグルト工房にもチャレンジしてみたいです。酪農を魅力化することで、この大好きな牛たちと牧場を継承してくれる、後継者を見つけていきたいです。

牛と吉田さん、なんだか親しい「仲間」のようでした。牛への眼差しがいつもやさしいのが、印象的でした。

ちちぶ路吉田牧場
https://www.dairy.co.jp/edf/list/kanto/yoshidafarm.html
※観光牧場ではありませんので、体験をご希望の場合はお問い合わせの上、ご訪問ください。

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